60年代から70年代にかけ、沈滞したジャズ・シーンに新たなる生命を吹き込んだインディペンデント・レーベル, Freedom衝撃の復刻!
11月22日にFreedom-Rootsシリーズ3タイトル、そして12月11日にFreedom-BAGシリーズ3タイトルが発売。
「フリーダム・レコードはジャズの勉強にとてもいい」・・・植草甚一
Freedom Records :
多くの問題作を提供してきた英国人プロデューサー、アラン・ベイツによってBlack Lion傘下で設立されたアヴァンギャルド系ジャズを主としたレーベル。60年代後半から70年代にかけてのもっとも充実した音楽表現として、低迷と沈滞に陥りがちだった当時の状況を見事に打破し、ジャズ・ミュージックの気息と律動と生命力を十分に発揚させた。その後のブラック・ミュージックやロフト・ジャズへの影響、そして現ジャズ・シーンへと繋がる功績は大きい。50タイトルほどのカタログを有し、その中にはレーベル設立以前にアラン・ベイツがPolydor、Debut、Fontanaなどで関わったアルバムの権利を後に買い取ったものも含まれる。
「フリージャズの爽快感を知らずにジャズを聴き続けるのは楽しみを半減、いや、四分の一に減らす。もったいないことだ。ぜひこの作品を聴いた方は、平原のように広がっているFreedomの自由な園へ足を踏みこんで欲しい」・・・・瀧口譲司(ライナーより)
【11月22日発売第1弾】Freedom-Roots
■仕様:originalデザイン紙ジャケット ■価格:2,300円+税
ポルト・ノーヴォ|マリオン・ブラウン MZCB-1394
ジャズ・シーンに新たな息吹を吹き込んだマリオン・ブラウンのリリシズム溢れるスピリチュアル・ジャズ。初回オリジナル・デザインでのCD化は世界初!
「ジャケットは憂いを秘めたマリオン・ブラウンがこちらをじっと見つめています…。当時ダホメー共和国の首都名でもあったアルバム名『ポルト・ノヴォ』は、<新たな出発港>とも読み取れるのです。本作のオリジナルLPは僅かの枚数しか入荷がなく、とりわけ高価だった欧州盤を購入出来た時の喜びは…昨日のことのように覚えています。Wジャケットを見開いてもミュージシャン表記はなく(小さな印字のライナーノーツ内でようやく判明)、恐るおそる針を降ろすと、あの激しくも艶やかなアルトサックスの音色に、後ろで強打している個性的なドラムス、これはもうハン・ベニンクではないですかぁ!」・・・・泉秀樹(ライナーより)
ハンバ・カール!|ガト・バルビエリ&ダラー・ブランド MZCB-1395
アルゼンチン出身のガトー・バルビエリと南アフリカ出身のダラー・ブランド。二人のコラボレーションから生まれた心に沁みる魂の対話。以前「Confluence」としてCD化されたアルバムが美しいモデルを起用した初回レア・カヴァーでの世界初CD化!
「ある意味で牧歌的と言っていいような優雅な空間も創り出しながらも、ガトーの絞り出すテナーがこの時代へ引き戻してくれる。ポスト・コルトレーンの時代の混迷が静かに伝わってくる。フリージャズの次に来るのは何になるのか、不安ながらもミュージシャンたちは自らの心の混迷を素直に表出していた。ガトーのフリージャズ時代三部作、いずれも捨てがたい魅力的な作品だ。“哀愁のヨーロッパ"でソフトメロウなジャズの人気を呼んだガトー、こんなハイテンションな時代もあったのだ。今回は内容に相応しいオリジナルジャケットでの登場だ!」・・・・瀧口譲司(ライナーより)
オランダのHaarlemで収録された60年代のポール・ブレイを象徴する作品。彼が残したトリオ作品の中でもあのマーク・レヴィンソンの知的で強靭なベースが堪能出来る貴重なアルバム。名曲「ミスター・ジョイ」を収録。
「あばたもえくぼ、とは言うが本作はとにかくブレイの演奏の中でも表現者の内面と表現方法が一致していて好ましい。ピアノとドラムスが対峙してハイテンションの山を形作り、そこへベースが絡んでいく。ピアノが創り出すテンションの上下が、ドラミングの色合いさえ変えていく。やがて三者三様の時間から一気に凝縮され一致された“カオス"のゴールへと突き進み、走り抜けていく。爽快なフリージャズの典型的な演奏だ。フリージャズの爽快感を知らずにジャズを聴き続けるのは楽しみを半減、いや、四分の一に減らす。もったいないことだ。ぜひこの作品を聴いた方は、平原のように広がっているFreedomの自由な園へ足を踏みこんで欲しい」・・・・瀧口譲司(ライナーより)
【12月11日発売第2弾】Freedom-BAG
■仕様:originalデザイン紙ジャケット ■価格:2,300円+税
Freedomに残されたBAG(Black Artists Group)関連作品をレア・オリジナル・デザインで復刻!
BAGの主要メンバーであり、デヴィッド・サンボーンやティム・バーンの師匠としても知られるサックス奏者、ジュリアス・ヘンフィルの代表作が初期オリジナル・デザイン紙ジャケットで復刻!
「改めてジュリアス・ヘンフィルの音楽を聴いているとフリージャズではなく、彼が独自の作曲を、もしくは即興演奏におけるシステムを作ろうとしていたようにも聴こえてくる。個々の演奏そのものは熱いが、抽象よりも調和や構造を感じられるのだ。それはティム・バーンやアンソニー・ブラクストン、オーネット・コールマンの音楽を聴くような感覚なのかもしれない。これは読み解きたくなる欲求が湧いてくる音楽だ。」・・・・柳樂光隆
BAGを代表するユニット、ヒューマン・アーツ・アンサンブルがAACMとの交流から生まれた重要作。アフガニスタンの民謡をベースにしたプリミティヴなリズムとグルーヴィーな演奏は21世紀の耳にも新鮮に響く。500枚限定の初回自主制作盤デザインでの世界初リリース!
「“Free your ass and your mind will follow." ファンクの達人ジョージ・クリントンの名言です。つまり、肉体を解放すれば精神も次第に自由になるということです。人は音楽を聴く時、様々な既成概念に捕らわれて素直に音を受け入れることを潜在的に拒んでしまうことがあります。~自由自在に即興を展開するこのような演奏は必ずしも聴きやすいものとは限りませんが、強烈なグルーヴを維持するドラムとベイス、そして時々浮上するどこか郷愁を感じさせるアジアのメロディに身を任せれば、周りで色々な野生動物が声を発しているジャングルを彷徨っているような気分になります。」… ピーター・バラカン
NTU:創造の起源/ オリヴァー・レイク
BAGの設立者であり、後にニューヨークのロフト・シーンを牽引したオリヴァー・レイクがピアニストのジョン・ヒックスのプロデュースによりセントルイスに残した初リーダー作。
ジャイル・ピーターソン監修コンピにも収録されていた土着系アフロ・スピリチュアル楽曲"Africa"はじめ今こそ聴きたいスピリチュアル・ジャズの名盤。
「現在世界中で再び脚光を浴びる"スピリチュアル・ジャズ"。70年代のアフロ・アメリカンのミュージシャンらによる作品が核となって形成される潮流のなかでフリージャズ寄りのレーベル"Freedom"に残されたサックス/フルート奏者オリヴァー・レイクの名作。現在のシーンの源流となった“Africa","Tse'lane"が収録。」… 松浦俊夫