ニック・ドレイクの魂がピアノで甦る…
ニック・ドレイクの魂がピアノで甦る…
21世紀の今日でもカルト的人気を誇る伝説のUKシンガー・ソング・ライター、ニック・ドレイクの代表作「ピンク・ムーン」をUK若手ピアニスト、デミアン・ドレリが奏でた至高のピアノ・ソロ作品。日本盤ボーナス・トラックとしてニック・ドレイクのセカンド・アルバム「BryterLayter」からの2曲を追加収録。
トラックリスト:
01. ピンク・ムーン
02. プレイス・トゥ・ビー
03. ロード
04. ウィッチ・ウィル
05. ホーン
06. シングス・ビハインド・ザ・サン
07. ノウ
08. パラサイト
09. フリー・ライド
10. ハーヴェスト・ブリード
11. フロム・ザ・モーニング
12. フライ*
13. ワン・オブ・ジーズ・シングス・ファースト*
*ボーナス・トラック
デミアン・ドレリ(ピアノ)
録音:2021年Real World Studios / London
日本盤ライナーノーツ:山本勇樹(Quiet Corner)
発売日:3月17日
ロンドン生まれ、ロンドン育ちの生粋のロンドンっ子である期待の若手ピアニスト、デミアン・ドレリのデビュー・ソロ・アルバム。クラシック・シーンで活躍しながらもキース・ジャレットの「ケルン・コンサート」に影響を受け、ニック・ドレイクを愛聴し、感銘を受けたアルバム「ピンク・ムーン」を丸ごとカバーした話題作!
本作は、ピーター・ガブリエルが主宰するロンドンのレーベル、リアル・ワールドが所有するスタジオで録音された。そして、「ウッドルーム」と呼ばれる、豊かな自然の残響音が得られるスタジオ・ルームで行われたことで、デミアンが描きたかった温かみのある音像が実現された。そしてデミアンも賛辞を寄せるエンジニア、ティム・オリヴァーのミックスダウンも素晴らしく、まるで間近で演奏を聴いているような、親密な雰囲気に仕上げられている。冒頭「Pink Moon」の旋律に耳を傾けてほしい。現実と夢想の間を揺らめくような淡い刹那がじんわりと心に染み込んでいく。「今後、取り上げてみたい作品はありますか?」と尋ねたところ、デミアンからこんな答えが返ってきた――「このプロジェクトで、ニック・ドレイクの音楽がより身近に感じられるようになり、その物語はまだ終わらないと感じている」と。デミアンのピアノを通して、ニック・ドレイクという音楽家の姿を改めて再確認するような、音楽の輪廻転生の魔法を信じてやまない。 最後に、このミューザックの国内盤にはボーナストラックとして「One Of These Things First」と「Fly」(共に『BryterLayter』収録)が収められているが、やはりどちらも静謐で凛とした空気を見事に捉えた名演で、ぜひ彼の言う物語の続きを楽しみにしたい。 …山本勇樹(ライナーノーツより抜粋)