オランダのHaarlemで収録された60年代のポール・ブレイを象徴する作品。彼が残したトリオ作品の中でもあのマーク・レヴィンソンの知的で強靭なベースが堪能出来る貴重なアルバム。名曲「ミスター・ジョイ」を収録。
「あばたもえくぼ、とは言うが本作はとにかくブレイの演奏の中でも表現者の内面と表現方法が一致していて好ましい。ピアノとドラムスが対峙してハイテンションの山を形作り、そこへベースが絡んでいく。ピアノが創り出すテンションの上下が、ドラミングの色合いさえ変えていく。やがて三者三様の時間から一気に凝縮され一致された“カオス"のゴールへと突き進み、走り抜けていく。爽快なフリージャズの典型的な演奏だ。フリージャズの爽快感を知らずにジャズを聴き続けるのは楽しみを半減、いや、四分の一に減らす。もったいないことだ。ぜひこの作品を聴いた方は、平原のように広がっているFreedomの自由な園へ足を踏みこんで欲しい」・・・・瀧口譲司(ライナーより)
曲目:
1. ブラッド
2. ミスター・ジョイ
メンバー:
ポール・ブレイ(p)
マーク・レヴィンソン(b)
バリー・アルトシュル(perc)
録音:1966年11月4日/オランダ