東欧の淡い木漏れ日と爽やかな南米の風
ポーランドを代表する女性シンガー、グラジーナ・アウグスチクとブラジリアン・シンガー&ギタリスト、ポリーニョ・ガルシア。
ロング・セラーとなった前作『ふたりのボサノヴァ~ビートルズ・ノヴァ』に続くデュオによるクラシカルでありながら進化したボサノヴァ・アルバム。
アルバムのコンセプトは、「ボサノヴァの古典的名曲」と「ブラジルに生まれた魅惑の楽曲」をヴォーカル・デュオで表現する…。本作には、ボサノヴァの最初のレコーディングである、ジョアン・ジルベルトが歌った「想いあふれて」、ボサノヴァの代名詞ともいえる「イパネマの娘」、さらには「ワン・ノート・サンバ」「フェリシダージ」「バラに降る雨」等の名曲が収められている。そして、ボサノヴァとは異なる「ブラジルの魅惑の楽曲」としてシコ・ブアルキ作の「幻想なしにSemFantasia」が収録されたことは特筆に値するかもしれない。この曲は、シコ・ブアルキが若い時分に、異妹であるクリスチーナとデュエットして歌った、隠れた名曲である。味わい深い旋律をもつ、この楽曲で、グラジーナ・アウグスチクとポリーニョ・ガルシアは見事なヴォーカル・デュオを披露する。凛とした歌の佇まいとクールなトーンが魅力のグラジーナの歌声。そして、ヒューマンで柔らかなトーンが魅力のポリーニョの歌声。二人の異なる個性の歌声は絶妙に重なり合い、響き合い、そこには、しみじみとした情感と共に、独創的なヴォーカル・デュオの音楽が表現されている。そして、彼らは同時にシコ・ブアルキが曲に込めた物語をも見事に表現しているのだ。~本作は、グラジーナ・アウグスチクとポリーニョ・ガルシアによる、「豊饒の音楽風土・ブラジル」へのオマージュである。・・・上村敏晃(ライナーより)
■メンバー:
グラジーナ・アウグスチク(vo)
ポリーニョ・ガルシア(vo, g)
録音:2018年/ポーランド
■トラック・リスト:
1.フェリシダージ-A Felicidade -A.C.Jobim/Vinicius De Moraes
2.アルアンダ-Aruanda-Geraldo Vandré/Carlos Lyra
3.バラに降る雨-ChovendoNa Roseira-A.C.Jobim
4.コレンテーザ-Correnteza-A.C.Jobim/Luiz Bonfá
5.イパネマの娘-GarotaDe ipanema-A.C. Jobim/Norman Gimbel/ViniciusDe Moraes
6.想いあふれて-Chega De Saudade -A.C. Jobim/Vinicius De Moraes
7.あひるのサンバ-O Pato -Jayme Silva & Neusa Teixeira
8.夢でなく-Sem Fantasia -Chico Buarque De Holanda
9.ワン・ノート・サンバ-One Note Samba -Samba De Uma Nota Só-A.C. Jobim/Herbie Mann/Newton Mendonça
10.テレフォン-Telefone-Roberto Menescal/Roberto Bôscoli