ゲイリー・マクファーランドらと共に設立した自らのレーベル、SKYEに残された代表作。その魔法の指先から生み出されるトリッキーなサウンド・ワールドは正にワン・アンド・オンリー。
ジャズ・ギターの概念を変えた元祖フュージョン・ギタリスト、ガボール・ザボ
コルトレーンを始めとする一連の新しいスタイルのジャズで溢れていたあの時代に出現したガボールのギターは、それまで僕が聴いていたウエスやジム・ホール等のビバップ・ギタリストとは一線を画する新鮮なギタースタイルだったので、僕もその魅力にはまり多大な影響を受けました。
僕がニューヨークに行った直後、ビレッジのジャズクラブでただ一回だけ彼のバンドを聴く機会がありました。今でも忘れられない演奏のひとつです。ガボールの演奏が始まったところから終わりまで、音楽の術にかけられて一つの旅に連れて行かれた様な、極上の時間の流れの中に浸っていました。ガボールは魔術師だったのかな?
・・・増尾好秋
いいものはいつか必ず評価される。ザボへの関心が、1990年代に入ってレア・グルーヴの人気と共に高まってきたのだから、世の中も捨てたものではない。いまではインパルスやスカイに残されたアナログ盤が、DJやクラブ系音楽ファンの間で引っ張りだこの人気になっている。
言ってみれば、ザボは元祖フュージョン・ミュージシャンだし、いまで言うところのワールド・ミュージックのパイオニアでもあった。ハンガリー生まれのジプシー育ちという境遇が、彼をユニークなギタリストにしたのはいうまでもない。そのザボの音楽に、時代がようやく追いついたということか。・・・小川隆夫
曲目:
1.ディアー・プルーデンス
2.涙の口づけ
3.青春の光と影
4.ウォーク・アウェイ・レニー
5.ユー・ウォント・シー・ミー
6.マイケル・フロム・マウンテン
7.ストーミー
8.イン・マイ・ライフ
9.夢の人
10 別れの時まで
11.サムホエア・アイ・ビロング
メンバー:
ガボール・ザボ (g)
フランソワ・ヴァス (g)
ルイス・カボック (b)
ランディ・シェルリー (fender-b)
マイク・メルヴォイン (org)
ジム・ケルトナー (perc)
ジョージ・リッチ (cello)