レーベル主宰者、ゲイリー・マクファーランドの代表作「ソフト・サンバ」(verve)と並ぶイージー・リスニング・ジャズの金字塔。
■『Today』はゲイリーが最晩年の1970年に発表した作品であり、SKYEを代表する一枚といっても過言ではない。脇を固めるのは、ロン・カーター、グラディ・テイト、ヒューバート・ロウズ、サム・ブラウン、アイアート・モレイラといった、いずれも名手ばかりで絶頂期の演奏に触れることができる。よって音色、リズム、コード、ひとつひとつを取っても完璧でまったく隙がない。柔らかなグルーヴを下敷きに、ジャズとボサノヴァとポップスがまろやかに溶け合い、幻想的な雰囲気に包まれながら、メランコリックな空気感を醸しだしている。~振り返れば、この10年余りで音楽をとりまく状況は変化したが、今、あらためて『Today』をはじめとするSKYEの音楽に耳を傾ける時が来ているのかもしれない。ゲイリー・マクファーランドは未来に生きる僕たちのために、SKYEに音楽を残してくれたのだから。・・・ 山本勇樹
曲目:
1.ビコーズ
2.マイ・シェール・アモール
3.スザンヌ
4.シェルブールの雨傘
5.うわさの男
6.いそしぎ
7.ゲット・バック
8.デサフィナード
9.シャドウズ・アー・フォーリング
10.ミッシェル
11.孤独の影
12.ビリンバウ
メンバー
ゲイリー・マクファーランド (vib. vo)
ヒューバート・ロウズ (fl)
カーティス・フラー (tb)
サム・ブラウン (g)
ロン・カーター (b) チェット・アムステルダム (b)
グラディ・テイト (ds) ソル・グービン (ds)
アイアート・モレイラ (perc) ジョージ・リッチ (cello)
来るべき時代を予言した悲運のスウィート・ジャズ・レーベル
SKYEがミッド・プライスで待望の登場!
■波紋のように広がる洒落たヴァイブの音色や、物憂げに響く鼻歌のようなスキャットや口笛。涼しげに風や光に溶け出す、しっとりとメランコリックなソフト・サウンディング。ビートルズやバカラック、ルグランやジョビンという粋なレパートリー。厚紙がヴィニール・コーティングされた、あのジャケットの質感。ソフト・ロックであり、ボサであり、イージー・リスニングでもあるその音楽は、まさにサバービア・ジャズ。知性と気品とソフィスティケイションに気怠さや密やかさも感じさせる、まるで夢の世界に迷い込んだような音像に、ゲイリー・マクファーランドの“サックフル・オブ・ドリームス"が詰まった素敵なレーベルです。・・橋本徹(SUBURBIA)
■1965年のある日ニューヨークで初めてゲイリー・マクファーランドと会った。当時ストレートなジャズばかりを演っていた僕が彼を通じていろんな音楽を知りそれを機に視野が広がったと思います。スマートでセンシティヴで思いやりのあったゲイリー。そんな彼が残したSKYEのアルバムが久しぶりに日本で紹介されるのを心から嬉しく思います。・・渡辺貞夫
■CTIよりスイートでバブルガム。A&Mよりビターでアシッド。だから、少し大人になってから、ぼくも好きになりました。・・鈴木惣一郎(ワールドスタンダード)
■SKYEレーベルは、とっても大人。成熟しているのに先鋭的。洗練されているのに前衛的。・・片岡知子(instant cytron)
■クールなヴィブラフォンの響き、ジェントルなホーン、グルーヴィなリズムセクション・・・まさに涼風運ぶソフト・サウンディング・ジャズだ。
・・長門芳郎(BELIEVE IN MAGIC INC.)
■スカイの音が、今CDで蘇ろうとしている。ジャンルにとらわれない、自由な感性をもったスカイの音は、必ずや21世紀のリスナーの心も掴むことだろう。・・小柳帝