ジャズ・フュージョン時代の到来を告げた歴史的アルバム。
■「Eloise(first love)」「Got It Together」「The lone Stranger」でのピチカートのグルーヴ感や、裏のビートを効果的に使ったフレージング、「how Long Will It Lost」のピッキング・ハーモニクスなどを聴くと、ジャコが彼から大きな影響を受けているということがよくわかるし、さらに「Genuine John」での、スロー・テンポだがスピード感のあるベースのフレージング、同じパターンをひたすら繰り返しながら、すさまじいグルーブを生み出していく「The Rain Song」など、まさにエレクトリック・ベース奏法のバイブルともいうべきプレイが、このアルバムには目一杯詰め込まれている。ベース・ソロなんて全然ないのにもかかわらず、ここまで存在感のあるベースを聴かせるチャック・レイニーは、やっぱりすごい。~チャック・レイニーだけではなく、エリック・ゲイルも、コーネル・デュプリーも、リチャード・ティーも、みんなイキイキと、ほんとうに楽しそうにプレイしている。『チャック・レイニー連合』とは、いいアルバム・タイトルをつけたものだ。そう、このアルバムは、後に“フュージョン"と呼ばれることになる新しい音楽が生まれようとしている瞬間を記録した、フュージョンという音楽の原点ともいうべき1枚なのである。・・熊谷美広
曲目:
1.エロイーズ(ファースト・ラヴ)
2.ハウ・ロング・ウィル・イット・ラスト
3.ジュニュイン・ジョン
4. レイン・ソング
5.ガット・イット・トゥゲザー
6.ローン・ストレンジャー
7.ハーレム・ノクターン
8.イッツ・ゴナ・レイン
9.ピーター・ガンのテーマ
メンバー
チャック・レイニー (el-b)
ジョージ・スタッブス (p)
リチャード・ティー (org, p)
コーネル・デュプリー (g)
エリック・ゲイル (g)
ビリー・バトラー (g)
メルビン・ラスティー (tp)
トレバー・ローレンス (ts)
バーナード・パーディ (ds)
ケン・ライス (ds)
ハーブ・ロベル (ds)
ジム・ジョンソン (ds)
ウォーレン・スミス (perc)
スペックス・パウエル (perc)
モンテゴ・ジョー (cng)
セルワード・クラーク (cond)
来るべき時代を予言した悲運のスウィート・ジャズ・レーベル
SKYEがミッド・プライスで待望の登場!
■波紋のように広がる洒落たヴァイブの音色や、物憂げに響く鼻歌のようなスキャットや口笛。涼しげに風や光に溶け出す、しっとりとメランコリックなソフト・サウンディング。ビートルズやバカラック、ルグランやジョビンという粋なレパートリー。厚紙がヴィニール・コーティングされた、あのジャケットの質感。ソフト・ロックであり、ボサであり、イージー・リスニングでもあるその音楽は、まさにサバービア・ジャズ。知性と気品とソフィスティケイションに気怠さや密やかさも感じさせる、まるで夢の世界に迷い込んだような音像に、ゲイリー・マクファーランドの“サックフル・オブ・ドリームス"が詰まった素敵なレーベルです。・・橋本徹(SUBURBIA)
■1965年のある日ニューヨークで初めてゲイリー・マクファーランドと会った。当時ストレートなジャズばかりを演っていた僕が彼を通じていろんな音楽を知りそれを機に視野が広がったと思います。スマートでセンシティヴで思いやりのあったゲイリー。そんな彼が残したSKYEのアルバムが久しぶりに日本で紹介されるのを心から嬉しく思います。・・渡辺貞夫
■CTIよりスイートでバブルガム。A&Mよりビターでアシッド。だから、少し大人になってから、ぼくも好きになりました。・・鈴木惣一郎(ワールドスタンダード)
■SKYEレーベルは、とっても大人。成熟しているのに先鋭的。洗練されているのに前衛的。・・片岡知子(instant cytron)
■クールなヴィブラフォンの響き、ジェントルなホーン、グルーヴィなリズムセクション・・・まさに涼風運ぶソフト・サウンディング・ジャズだ。
・・長門芳郎(BELIEVE IN MAGIC INC.)
■スカイの音が、今CDで蘇ろうとしている。ジャンルにとらわれない、自由な感性をもったスカイの音は、必ずや21世紀のリスナーの心も掴むことだろう。・・小柳帝