摩天楼の夜空にとけ込む甘い吐息
そのチャーミングでスウィートな歌声で注目を浴びたサウス・カルフォルニア出身のヴォーカリスト、サーシャの5年ぶりとなる待望のセカンド・アルバム。
舞台をサンディエゴから大都会ニューヨークに移し、よりジャージーに、よりセクシーに成長した彼女の魅力が炸裂!ジョン・ディ・マルティーノ、ピーター・ワシントン、ルイス・ナッシュはじめ凄腕ミュージシャンがサポート。
冒頭から甘い囁きとスウィンギーな演奏で心奪われる(1)「デヴィル・メイ・ケア」、ラテン・フレーバーとの抜群の相性の良さで聴かせる(5)「サ・チャ・チャ」、ボッサ・アレンジと軽やかなアコースティック・ギターに心弾む(7)「時さえ忘れて」、ルイス・ナッシュとのデュエットでエラ&ルイの名唱を彷彿とさせる(8)「ジー、ベイビー・・・」、はかなくも繊細な歌声が心を溶かす(9)「バークリー・スクエアのナイチンゲール」。そして、スティングの名曲をクールのカヴァーした(11)「フラジャイル」。“
音の魔術師"アル・シュミットによって磨き上げられたそのサウンドは、オーディオ・ファンも必聴。
アメリカの最南西端に位置し、メキシコのティファナ市と境を接する街、サンディエゴ。海軍の軍港でも知られるこの市は、カリフォルニア誕生の地でもあり、温暖で過ごし易い気候や豊かな自然環境、整備された街並みなど、アメリカの諸都市の中でも最良の街(=ファイネスト・シティ)とも呼ばれる。今やサンフランシスコを抜き、ロサンゼルス(LA)に続くカリフォルニア州第2の人口(120万余)を誇る大都市で、その4分の1がチカーノ(メキシコ系)と言う、アメリカ有数のヒスパニック・シティでもある。それだけにチカーノ・コミュニティーも活発であり、チカーノ・ミュージックやラテン・ジャズ~サルサなど、ラテン系音楽も街中で良く聞かれるらしい。
そんなこの地で生まれ育った若きディーバが、このアルバムのサーシャ(本名サーシャ・ボウトロス)である。年令は20台後半(2008年時点)で、このアルバムや自身のHPなどに載せられている写真などを見ると、ジェニファー・ロペスにも似た、妖艶で情熱的なラテン系美形である。地元のサンディエゴ大学法学部を卒業している彼女は、才色兼備の才媛で、自身のルーツでもある英語、スペイン語の他にも、ポルトガル語、イタリア語、フランス語にも精通しており、このデビュー・アルバムでも、この5つの言語を使い分けた、巧みな歌唱を披瀝してくれた。彼女は自身のことを、ボーカリスト、ピアニスト、コンポーザー、ソング・ライターと記しており、この初お目見え作でも、ボーカリストだけでなく、コンポーザー、ソング・ライターとしての卓越した才能も数曲で披露している。
彼女はラテン系のディーバだけに、情熱的で美しさと力強さを兼ね備えたダイナミックな唄い口が、その最大の持ち味とも言えるが、若いに似ない実にこなれた、成熟した唄いっ振りで魅せてくれる。癖のない澄んだ良く通る声質で、微妙なニュアンスの表出にも秀でている。彼女が敬愛するボーカリストの一人、カーリン・アリソンも、"しっかりとして実に成熟した唄い口"と賞賛している。くっきりと自信に満ちた魅力的な歌唱が、全編で聴かれる。それともうひとつ彼女の特色は、その守備範囲の広さにある。自身の音楽スタイルとして、ジャズ、ラテン・ジャズ、ボサノバ、シャンソン、カンツァーネ、ワールド・ミュージックなどを挙げ、意欲的というか欲張りと言うか、かなりなシンガー根性の持ち主でもある。
・・・・・・・・・・・・・ファースト・アルバム「サンディエゴの恋人」ライナーより抜粋
曲目:
1. デヴィル・メイ・ケア
2. ザ・ベスト・イズ・イェット・トゥ・カム
3. ラヴ・ウォント・レット・ミー・ウェイト
4. アイ・ビリーヴ・イン・ユー
5. サ・チャ・チャ
6. アイ・ハヴ・ソート・オブ・ユー
7. 時さえ忘れて
8. ジー・ベイビー、エイント・アイ・グッド・トゥ・ユー
9. バークリー・スクエアのナイチンゲール
10. オータム・セレナーデ
11. フラジャイル
メンバー:
サーシャ (vocal,)
ジョン・ディ・マルティーノ (piano)
ピーター・ワシントン (bass)
ルイス・ナッシュ (drums)
テレル・スタッフォード (tp)
録音:2012年 / NY