大英帝国の秘宝、ロンドンのジョアン・ジルベルトこと謎のシンガー・ソングライター&コメディアン、アール・オキン。今宵もいかしたオヤジのジェントル・ヴォイスで、大人の夜が更けていく。
60年代ソングライターとしてビートルズの出版社、ノーザン・ソングスに所属しジョージィ・フェイムやヘレン・シャピロをはじめとするブリティッシュ・ポップ・シンガーに曲を提供。また80年代にはポール・マッカートニーに認められウイングスの前座としてツアーに参加するなど活躍した。その後シンガー&コメディアンとして世界中のステージに立ち多くの観客をその渋いのどで酔わせ、そして下世話なジョークで笑わせた。この数奇な運命を辿った不遇のベテラン・ミュージシャンが65歳にして遂に待望の日本デビュー!
ジョアン・ジルベルトを彷彿とさせる歌声でポール・マッカートニーも脱帽した作曲センスによる卓越したオリジナル・ソングを呟くように歌う奇跡のヴォーカル・アルバム!
※ボーナス・トラックとして幻の名曲「イエスタデイズ・ワイン」の超メロウ・ヴァージョンを追加収録
チェット・ベイカーやマイケル・フランクスを彷彿させる甘いクルーナー・ヴォイス、抑制を効かせたピアノ・タッチ、軽やかなアコースティック・ギター。アルバムは古き良き時代を懐古するように、ボサノヴァとジャズがゆるやかに往来し紡がれている。?特筆すべきはアルバムの半分を占めるアール・オキンのオリジナル曲だ。ポール・マッカートニーも認めたその才能は、やはり英国ポップ・センスの賜物といえよう。ゲイリー・マクファーランド SKYEレーベルにも通じるような幻想的なソフト・サウンディング・ボサ「Madrugada」。レオン・レッドボーンを想うノスタルジックなアコースティック・スウィング「Love Me Or Leave Me」。メランコリックで夢見心地なスロウ・ジャズ「Some Other Dream」。心地よい潮風に包まれるようなフェイク・サンバ「Guitar Samba(Samba Do Violao)」。ギターとピアノの涼しげなハーモニーに心躍るエレガントな「Here's Tomorrow」。マウス・ペットも印象的な瑞々しいブラジリアン・スウィング「When The Music Fades Away」など、どれもクオリティが高い。――― ライナーより抜粋