ストレンジ・ヴィレッジ / ガトー・リブレ

2005/8/24 release
ストレンジ・ヴィレッジ / ガトー・リブレ
Strange Village / Gato Libre
MZCO-1073 (ONOFF)
藤井郷子のアコーディオン、津村和彦のギター、是安則克のベースからなる、純粋にアコースティックで、アンプラグドな演奏ユニットである。アコースティックを強調したことに他意はない。
実は、この2年間ほどの彼らの演奏活動は通常のライヴ・ハウスやジャズ・クラブではなく、エスニック料理店や画廊、カフェといった空間で行われることが多く、そういう場所には当然ながらちゃんとしたPAがないのである。だから、プラグを挿すこともできない。アンプラグドというよりノンプラグといったほうが正確だろう。これは偶然の結果のように思えるが、ガトー・リブレの音楽にとっては案外必然であるようにも思える。楽器を手に4人が集まれば、そこが即ガトー・リブレの「場」になる。大げさな装置やメディアを必要としない、猫のように自由な音楽がガトー・リブレの音楽なのだ。
音楽を楽しむためにはジャンル分けなど無意味なことだが、それにしてもガトー・リブレの音楽を何かに分類することは困難だ。コンテンポラリーなジャズの最前線で多彩な活動を繰り広げている田村夏樹以下、いずれもジャズのフィールドを中心に活動している手練であるのだが、ガトー・リブレの場ではそれぞれが一人の「楽士」になって、自由に音のファンタジーを紡ぐ。その結果、不思議にエスニックな味わいのあるガトー・リブレ・サウンドが生まれた。それを強いて名付けるなら無国籍・無時代エスノ音楽とでもいえようか。
従来、ごく限られた場所で限られた聴衆にしか知られていなかったガトー・リブレだが、一度耳にすると妙にクセになる。思わず口コミで友人・知人に知らせたくなる。初めて聴くのに懐かしい音楽、そのゆったりとしたリズムに身を委ねていると様々な映画、それもいつ見たのか定かではない映画の数々のシーンが目に浮かぶ…。
そう、ガトー・リブレの音楽は「存在しない映画のサウンドトラック」に似ている。
収録曲:
- 1.モーニング・ミスト
- 2.ジェントル・ジャーニー
- 3.ストレンジ・ヴィレッジ
- 4.ウェルカム・パーティー
- 5.ダイアローグ
- 6.ダンス
- 7.ドリーミング・ア・ロット
- 8.ゼン・ノーマル・ライフ
- 9.ウェイスストランド・オブ・ピー
メンバー:
- 田村夏樹:トランペット
- 藤井郷子:アコーディオン
- 津村和彦:アコースティック・ベース
- 是安則克:ウッド・ベース